使命を果たした私はマグヌスと一緒にすぐさま格好良く旅立ちたかったのだが、そう簡単にはいかなかった。
 前回と違いこっそり秘密裏に旅立つ訳ではなく、メイとして、この国の代表の植物学者として旅立つので色々な手続きがあったのだ。
 その中の一つである壮行会では、知り合いが大勢いる中でメイの振りをしなければならなかった。
 私とメイが入れ替わった事を知っているのは父と叔父と魔法使いとマグヌスとメイ本人だけだった。
 それ以外の全ての人を欺き、気付かれない様に振舞わなければいけないのは、思った以上に骨が折れた。
 服で隠れているとはいえメイの腕の傷は私の腕に移動して貰っていたし、薔薇の紋章は魔法で隠して貰っていた。
 だからそっくりな見た目や声で気付かれる事はまずないが、話し方や雰囲気でバレない様細心の注意を払う必要があったのだ。
 出来るだけ人との接触を避けようとするのだが、私の壮行会とあっては沢山の人が押し寄せて来るのを拒む事は出来なかった。
 メイも同様で、私の振りをするのは大変だった様だ。
 私は今だけ我慢すれば済む事だが、メイはこれから一生私の振りをするのだと思うと心が痛んだ。
 だがきっとメイならば上手くやって行くだろうと思い直し、とりあえず目の前の自分の事に集中した。
 今バレる訳にはいかない。
 メイの努力を無駄にしない為にも私自身メイになりきらねばならないのだ。
 マグヌスとのバラ色の未来を掴み取る為にも、私は笑顔でメイになりきった。
 そして慌ただしく目まぐるしい日々が過ぎ、沢山の手続きも終わり、やっと出国出来る事になった。
 私はメイとして植物研究の旅に出て、マグヌスと一緒に別次元の新たな植物を採取して和の国に送ると言う仕事を与えられた。
 駆け落ちしようとしてた時とは違い、正式に仕事を与えられ、旅に出る理由が出来た。
 そして、旅立つともう二度と帰って来られないと言う不安が無くなった事は私の心を軽くしていた。
 メイとしてだったが、私は今迄お世話になった全ての人々に旅立ちの挨拶をして回った。
 ただ魔法使いにだけは会えなかった。
 迷いの森へ行く事も考えたが、魔法使いとは別れの挨拶は済んでいて、これ以上は必要ないから会えないのだろうと判断した。
 本当に薔薇の紋章だけが大切だったのだなと思うと苦笑が零れた。 
 そして思い残す事なく私は旅立ちの日を迎えたのだった。
















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