翌日の朝、少し遅くに一行は出発した。
 大叔父の体調が思わしくなかったからだ。
 歩くのも辛そうで、ギャビーに支えられて港へ向かった。
「大叔父さん、大丈夫ですか?」
 ハルの心配げな瞳と共にカズイが労りの声を掛けると、大叔父は気まずそうに笑みを浮かべて焦った様な声を出した。
「だ、大丈夫!大した事ないよ!」
 その頬が紅潮していて、熱でもあるのではないかと益々心配になる。
 だがその心配こそが辛いのだと言う様に、大叔父はカズイ達から目を逸らし、極力普通に振る舞おうとする。
 その態度から何となく察しのついたカズイは話題を変えた。
「この国は内戦中だと聞きましたが、とてもそんな風には見えませんでしたね。とても活気のある国だと思いました。」
 隣に居たハルも同意だと頷いた。
「まぁ港の周辺はまだ安全だからな。」
 ギャビーが意味ありげにニヤリと笑った。
「これから色々な国を見て回るといい。中には危険な国もあるから、そこは気を付けるんだぞ。」
「はい。」
 カズイとハルは声を揃えて返事をした。
「取り敢えず今日は船に乗って第三階層の家に向かう。あそこは比較的安全だから安心しろ。」
「家?」
 不思議そうにカズイが繰り返した。
「そう、我々が拠点としている家だ。お前達の目的地の一つでもある。期待しているからしっかり働けよ。」
 それらの言葉でその家に”運命を間違えた人”が集められているだろう事が窺えた。
 カズイは気持ちを引き締めて、自分に何が出来るのだろうかと考えながら頷いた。
 現実をこの目で確認し、受け入れ、対処していかなければならない。
 ”運命を間違えた人”を救う、その力を得る為にここまで来たのだ。
 少しの緊張と不安に顔を強張らせつつ、カズイは船に乗り込んだ。
 船から見る備の国は、やはりどんよりとしていた。
 次の国はどんな所だろうかと思いを馳せるカズイの耳に、ギャビーのからかう様な声が聞こえた。
「今日は酔うなよ。」
 またあの体中がバラバラになる様な感覚を味わうのかと思うと少し憂鬱になった。
 だがこんな事に負けてはいられない。
 今日は座り込まない様、カズイは足に力を入れて踏ん張った。
 隣でハルも同じ様に意気込んでいた。
 










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