私の行動に驚いたのか暫く黙って固まっていたタクだったが、気を取り直した様に私の肩を掴んで体を離した。
 私はニコニコしたままタクの顔を見詰める。
 タクの顔は赤いままだった。
 タクは気まずそうにゴホンと咳払いをした後、私に問い掛けた。
「サオリの事はどう思っている?」
 私の顔から急速に笑みが失われていった。
「サオリには申し訳ないと思っている。だけど、騙した分も子供と共に幸せになって欲しい…。」
「ならこれからどうするつもりだ。」
 それが分からなくて逃げ出したのだ。
 一体どうすればいいのだろう?
 途方に暮れた私は縋る様な目でタクを見詰めた。
「サオリとその子の事は嫌いではないんだな。」
 私は大きく頷いた。
「当たり前だよ。ただ、申し訳なくて……。」
 申し訳なさに声が小さくなる。
「ならばこのまま騙し通すしかないだろう。」
「なっ…!」
 タクの言葉に耳を疑った。
 私の状況を理解してないのだろうか?
「それが苦しくて出来ないから逃げ出したのに…。」
 私は喉の奥から声を絞り出す様にして言った。
 だがタクは容赦なく現実を突き付けて来た。
「だが”アキ”を辞めるつもりは無いのだろう?ならばその家族の事も引き受けるしかないだろう。」
 タクの言葉は正論だ。
 頭ではそうした方が良い事は分かっている。
 だが心が追いつかないのだ。
 騙している事に罪悪感を覚えるのだ。
 私は上目遣いにタクを見遣った。

















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