言ノ葉つづり ~ユメノユメ~

オリジナルのBL小説を置いてます♪

第三部 存在証明

 こちらはBLと言う空想ファンタジー小説を扱っております。
 18歳未満(高校生を含む)の方、BLと言う言葉に興味の無い方、嫌悪を感じる方等は閲覧を御遠慮下さい。
 また、本作品は全てフィクションですので、現実と虚構の区別のつかない方も御遠慮願います。
 当ブログ内全ての作品の著作権は作者にありますので、無断転載・転用を固く禁止致します。
 不適切だと判断したコメントは、断りなく削除することがあります。
 以上、御了承頂けた方のみお楽しみください。
 更新は毎日午前零時です。

存在証明 1


 今日は”アキ”の結婚式。
 これをもって私は”メイ”から正式に”アキ”となる。
 和の国の次期国王となるのだ。
 …ただの兄弟ならば良かったのかもしれない。
 なまじ姿が瓜二つな双子だったが為に、弟である私は偽物の様で、私の存在は無意味だった。
 本来”アキ”を守らねばならない護衛の”タク”が間違えて私を守った時、周りの大人達から酷く叱られていたのを知ってしまった。
 そして私は”不要な物”、それどころか”迷惑な存在”であると悟ってしまった。
 それからというもの、私は出来るだけひっそりと周りに迷惑を掛けない様に自分を殺して生きて来た。
 そんな影の様な一生を送るのだと思っていた。
 それが何と言う事だろう!
 私が”アキ”と入れ替わり、”アキ”として表舞台に立てる日がやって来たのだ。
 いつも羨望の眼差しで見ていた”アキ”になれるのだ。
 ”アキ”にとって都合の良い身代わりだったのだとしても、私にとっては千載一遇のチャンスだった。
 この入れ替わりの事を知る者はほとんどいない。
 そして入れ替わりに気付く者など皆無であろう。
 ”メイ”となった”アキ”がこの国からいなくなった今、私は”アキ”として新しい人生を築いていける筈だ。
 例え偽りの結婚であっても、新たな家族を大切に、幸せにしていく自信はあった。
 私は思いを断ち切り、前だけを見据えて、新婦”サオリ”の待つ大広間へと向かった。
















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存在証明 2


 結婚式は盛大に行われ、全国民からの祝福に包まれていた。
 誰も私を”メイ”だと疑う者はおらず、”アキ”として認められた気がした。
 ただ、護衛のタクだけが何かを言いたげな表情で私を見詰めていたのが気になったが、それは些細な事だった。
 それよりも新婦のサオリにも気付かれず式を終えた事に安堵していた。
 そして初夜を迎える訳だが、”アキのパートナー”のサオリを抱く事には抵抗を覚えていた。
 当初、”アキ”になるにあたって、アキの物全てを自分の物にしようと思っていた。
 皇太子と言う地位も、婚約者であるサオリも、護衛であるタクも、今後生まれる薔薇の紋章を持った”アキの子供”も、そして輝かしい未来も。
 だが実際に肌を合わせる事を考えた時、自分でも気付かず激しい拒絶を覚えてしまったのだ。
 パートナーシステムが完全ではないと知り、それならば”アキのパートナー”のサオリを自分のパートナーにすればいいと簡単に考えていたが、人の心とは複雑なもので、”メイのパートナー”が気になってしまった。
 公にする事は出来ないが、私にも”運命の相手”がいる筈だ。
 それはサオリではないと私の勘が告げていた。
 だから事前に魔法使いにその事を相談し了承を貰い、サオリには目くらましを掛けて貰う事になっていた。
 ”アキ”として気を張っていて疲れ切っていた私は、その夜深い眠りに落ちたのだった。
















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存在証明 3


 幼い頃、私とアキは対等だと思っていた。
 私とアキとタク、いつも三人で遊んでいた。
 そこには何の差も無かった。
 ただタクだけが私達を守ると息巻いていた。
 私とアキの立場に大きな差があると気付いたのは、そんなある日の事だった。
「なぁ、”まよいのもり”にいってみようぜ。」
 いつもの様に三人で遊んでいると、アキが突然そんな事を言い出した。
「まよいのもり?」
 聞き慣れない言葉に私は首を傾げた。
 どこかで大人達が話していたのを聞いたらしく、アキは得意げに説明した。
「しろのうらにあるおおきなもりを”まよいのもり”っていうんだって。そしてそのもりにはいるとまいごになって、なかなかでてこられないんだって。おもしろそうじゃん。いってみようよ。」
「ダメだよ。あそこにはちかよったらいけないっておとなたちがいってたよ。」
 いつもは寡黙な一つ年上のタクが諭す。
 だがそんな言葉を聞くアキでは無かった。
「だいじょうぶだよ。いって、すぐにかえってくればバレないって。あのもりにはまほうつかいもいるんだって。もしかしたらあえるかもしれないじゃん。たのしみだ~。」
 言い出したら聞かないのを知っているので、タクと私は仕方なくついて行った。
 森の入口まで来て、目の前に広がる森を見上げる。
 そこは薄暗く、鬱蒼とした木々がどこまでも広がっていた。
 まさしく”迷いの森”と言う風情で、私達を圧倒していた。
「…い、いくぞ。」
 ゴクッと喉を鳴らし、アキが恐る恐る足を踏み入れる。
 タクと私も意を決してついて行く。
 三人は身を寄せる様にして森に入って行った。

















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存在証明 4


 ねっとりとした息苦しい空気が私達を覆う。
 明るい昼の筈なのに、森の中は薄暗くて不気味だ。
 私は思わずタクの服の裾を掴んでいた。
「うわぁ~、ホントにまいごになりそうだな~。」
 アキが嬉しそうな声をあげ、はしゃいでどんどん進んで行く。
「アキ、ひとりでさきにいくな。」
「だいじょうぶだよ~。」
 何が嬉しいのか、アキは楽しそうに歩を進める。
 アキを追い掛ける為、私達の歩調が速くなる。
 私はタクの裾をしっかりと握ったままアキを追った。
「まほうつかいはどこにいるのかな~?」
 少し落ち着いたアキがキョロキョロと周りを窺う。
「まほうつかいにあったらなにをおねがいする?」
 アキがいきなり問い掛けて来た。
 そんな事考えた事も無かった私は首を捻った。
「わたしはタクよりもはやくはしれるようにしてもらうんだ。」
 アキがタクの方を見ながら言った。
 そう言えばいつもタクの足の速さを羨ましがっていたのを思い出した。
 タクの走る姿は風に乗っている様で、スゴク格好良くて速いのだ。
「じゃあ、わたしも!」
 私がそう言うとアキが面白そうに笑った。
「メイはあまいものがまいにちたべられるようにおねがいするんだろ?」
 アキが私の甘いモノ好きを冷やかしているのが分かったが、確かにそちらの願いも捨て難いものがあり、私はしばし悩む。
 しかし私の苦悩をよそに、アキはタクに問い掛けた。
「タクはなにをおねがいする?」
















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存在証明 5


「とくにねがいはない。」
「え~、うっそだぁ~!」
 無表情に答えるタクに、アキが怪訝な顔で突っ掛かる。
「なにかあるだろ?もっとつよくなりたいとか、えらくなりたいとか?」
 激しい口調のアキに対して、タクは無言で首を振る。
「ちぇっ、わたしにはおしえられないんだ…。」
 アキが拗ねて怒った様に言う。
 雰囲気が悪くなった気がしたので、私は慌てて口を挟んだ。
「わたしはやっぱりあまいものがまいにちたくさんたべたい!」
「やっぱりな。」
 アキが私の答えに笑い、空気が和んだ。
「じゃあ、がんばってまほうつかいをさがそうぜ。」
「うん!」
 私達は鬱蒼とした森の中を魔法使いを探して歩いた。
 しかし、いくら探せど魔法使いなど影も形も見えない。
 それどころか日も落ちたのか、ただでさえ薄暗かった森がより一層暗くなった。
「ねぇ、おなかすいたよ~。もうかえろうよ~。」
 私は泣きそうになりながら声を掛けた。
「わかってる!いまでぐちをさがしてる!」
 アキがイライラした声で応えた。
「え?さがしてるって、かえりみちがわからないってこと?」
「しかたないだろ!ここは”まよいのもり”なんだから!」
 アキの答えに私の不安は一気に膨らみ、涙が零れてしまった。
「なくなよっ!」
 そう言いながら、アキも涙を堪えている様だった。
 森の中は真っ暗で、月の光も届かない。
 お腹も空いたし、足も痛い。
 迷ってしまい帰る方向も分からない。
 このまま死んでしまうかもしれない。
 そんな不安が心を覆い尽くしそうになった時、力強い声が聞こえた。
「まっくらやみのなかあるきまわるのはきけんだ。ここでたすけをまとう。」
 アキも私もタクの指示に従い、三人で身を寄せ合う様にして救助を待つ事にした。

















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