言ノ葉つづり ~ユメノユメ~

オリジナルのBL小説を置いてます♪

2013年04月

 こちらはBLと言う空想ファンタジー小説を扱っております。
 18歳未満(高校生を含む)の方、BLと言う言葉に興味の無い方、嫌悪を感じる方等は閲覧を御遠慮下さい。
 また、本作品は全てフィクションですので、現実と虚構の区別のつかない方も御遠慮願います。
 当ブログ内全ての作品の著作権は作者にありますので、無断転載・転用を固く禁止致します。
 不適切だと判断したコメントは、断りなく削除することがあります。
 以上、御了承頂けた方のみお楽しみください。
 更新は毎日午前零時です。

初恋 -恋に落ちる- 116


 会長の携帯が鳴り、迎えが来たので帰ろうと起こされる。
 ほんの短い時間だが眠っていた様だ。
 体調は大分落ち着いたが、電車で帰るのは辛かったので有難い。
 彼路はふらつく身体を起こし、会長に支えられて歩き出した。

 遊園地の出口に一台の車が止まっていた。
 彼路達が近付くとドアが開き、運転席の人が話しかけてきた。
「初めまして。私は正行の保護者で橘龍之助と言います。ヨロシクね。」
 ウィンクを投げられて彼路は少し戸惑う。
「あ、高遠彼路です。宜しくお願いします。」
 彼路はペコリと頭を下げて挨拶をした。
 すると会長が彼路を押し込むように車に乗せ、橘さんに向かって荒げた声を出した。
「彼路は体調が悪いんだ。挨拶は抜きにして早く出してくれ。」
「あらあらそうだったわね。彼路君大丈夫?横になって楽にしててね。」
 会長がリクライニングを倒し、彼路が寝易い様に整えてくれる。
「ありがとうございます。」
 彼路は橘さんと会長にお礼を言い横になった。
 心配げな瞳で見つめてくる会長を安心させる様に、彼路は繋いでいた手を強く握り笑みを浮かべる。
 会長も手を握り返してくれて安心が胸を覆う。
「それじゃあ出発しま~す。」
 橘さんが陽気な声で出発を告げる。
「安全運転で頼む。」
 会長が慎重な声を出し、彼路の髪を撫でる。
 滑る様に車が動き出し、彼路達は帰途に着いたのだった。










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初恋 -恋に落ちる- 115


 その後はお化け屋敷に行ってみた。
 作り物だとは分かっていても、初めてのお化けに恐怖で心臓が痛くなった。
 怖くて目を閉じ動けなくなった彼路を、会長は抱え込むようにして連れ出してくれた。
 休憩をとり少し元気になった彼路は、慎重に乗り物を選び、コーヒーカップに乗ってみた。
 これなら大丈夫だと調子に乗り、グルグルとハンドルを回した結果、乗り物酔いの様な惨状に陥ってしまった。
 ショーも見たかったしもう一度観覧車にも乗りたかった。やりたい事はまだまだあった。
 しかし元々体力のない彼路には限界で、ここから電車で帰るのも億劫になっていた。
「こんな事になってしまってすみません。」
 彼路は力なく謝る。
「謝らなくていい。それよりこの体勢で辛くないか?」
 立っていられなくなった彼路はベンチで横になり、会長の膝に頭を乗せている。
 冷たい飲み物を飲ませてもらい、おでこには水で濡らしたハンカチが置かれている。
 会長が心配げに彼路を見下ろし、優しく髪を撫でている。
 硬いベンチに横になっているので背中が少し痛いが、会長にこれ以上心配は掛けたくなかった。
「大丈夫です。」
 彼路は出来るだけ元気に見える様微笑んだ。
 しかし会長の顔はより一層曇り、声も低くなる。
「このまま休んでいれば大丈夫になるのか?早く家に帰ってベッドでゆっくり休んだ方が良くないか?」
 会長の言う事はもっともだが、その帰る為の移動が困難なのだ。
「………」
 彼路が言葉に詰まっていると、会長は携帯電話を取り出しどこかへ電話を掛けだした。
 そして通話が終わると彼路の頭を撫でながら優しい微笑みを向けて言った。
「もうすぐ迎えの車が来るから、もう少し我慢して。」
 訳が分からないながらも会長の言葉に安心し、彼路は目をつぶる。
「はい。」
 後は髪を撫でる会長の優しい指先を感じていれば良かった。













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初恋 -恋に落ちる- 114


「会長、先程会長が言っていた事と違いますけど?」
「いや、だがしかし…」
「一人で乗って何が楽しいんですか!二人で乗るから意味があるんでしょう!」
「いや、確かにそうなのだが……」
「ほら、順番が来ましたよ。乗りますよ。」
 そう言って嫌がる会長を無理矢理引っ張って行く。
 メリーゴーランドに乗る為に行列に並び、もう少しで順番が回ってくると言う所で、会長が自分は乗らずに彼路が乗っている所を見ていると言い出したのだ。
 確かに乗っているのは子供ばかりで、大人はそんな子供を見守り写真やビデオを撮っていた。
 子供達に混じって乗るのが恥ずかしいのだろう、会長が乗らないと言い出したのだ。
 しかし先程会長自身が一人で乗っても意味が無いと言っていたのだ。
 ここは是が非でも一緒に乗って貰う。
 彼路は嫌がる会長の手を引き、メリーゴーランドに乗り込む。
 こんなにたじたじになっている会長は初めてで、彼路が強気で会長を引っ張って行くなんて事はもう二度とないかもしれない。
 珍しい事に彼路は微笑みを浮かべ、会長が乗る為の白馬を選ぶ。
 嫌がる会長を無理矢理白馬に座らせ、彼路はその後ろの黒い馬に乗る。
 作り物とは言え馬に跨るのは初めてで、彼路は面白そうに見回す。
 股を広げて乗るのが新鮮だ。
 全員乗り込んだ様で、音楽と共に乗り物が動きだす。
 前を見遣ると会長が諦めた様に大人しく馬に乗っていた。
 そしてこちらを振り返り、笑顔を向けてくれた。
 その様は、まさに『白馬に乗った王子様』だった。
 彼路は会長の姿に息を飲み、胸をときめかせた。
 胸のドキドキを隠すかのように、彼路は会長に負けじと笑顔を返し、上下に動きながらグルグルと回る乗馬を楽しんだ。















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初恋 -恋に落ちる- 113


「彼路、次はどこへ行くんだい?」
 観覧車に乗って御機嫌になった彼路はパンフレットを見ながら頭を悩ませていた。
 手術し治ったとはいえ心臓に負担を掛ける様な事は出来ないので、出来る事は限られていた。
 もう一度観覧車に乗りたかったが、その前に他のアトラクションも経験しておきたい。
 メリーゴーランドかコーヒーカップ、はたまたお化け屋敷もありだろうか?
「えっと、メリーゴーランドにしましょう!」
 彼路がそう告げると会長は彼路の手を引き目的地へと歩き出す。
 手を繋ぐ事にまだ少し恥ずかしさはあるが、会長の好意を素直に受け取る事にした。
 そうして歩いていると、周りの絶叫マシーンからの歓声が聞こえてくる。
 とても楽しそうな歓声を聞いているだけで、彼路も楽しくなってくる。
 そして会長もこの楽しそうな乗り物に乗りたいのではないかと思い聞いてみた。
「会長、絶叫マシーンには乗らないのですか?」
「彼路は乗るのかい?」
「いえ、僕は乗れないのですが、会長が乗りたいんじゃないかと思って。」
「私に一人で乗れと言うのかい?」
「はい。僕は見ているだけで楽しいので。」
 会長が彼路に気遣う事のない様に、彼路はとっておきの笑顔を向けた。
 しかし会長から返ってきた返事は信じられないものだった。
「彼路は頭が良いと思っていたのだが、バカだった様だね。」
「は?」
 会長が一体何を言っているのか理解出来ずに目を丸くする。
 そんな彼路に呆れた様に溜息をついて、会長は説明を始める。
「二人で遊びに来ているのに一人で乗り物に乗って何が楽しいんだ。二人一緒に行動する事に意味があるんだろう。」
 会長の真剣な瞳に圧倒され、彼路は言葉をなくす。
 会長がそんな風に思っていてくれるのが嬉しい。
 気を遣ったつもりだったが、会長にそんな事は不要だった。
 そうだ、いつも会長はありのままの彼路を受け入れ守ってくれるのだ。
 彼路は感謝の気持ちを握り締める手に込め、会長を見上げた。
「それに私は絶叫マシーンは好きではない。」
 彼路はふわりとした笑みを浮かべ会長の手を引く。
「それじゃあ行きましょう!メリーゴーランドに!」












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初恋 -恋に落ちる- 112


「うわぁ……」
 彼路は窓から広がる景色を食い入る様に見つめて、感嘆の息を漏らしていた。
 上へ上へと昇って行く観覧車の中からは遊園地全体だけでなく、遠くの街並みまでもが綺麗に見渡せた。
 先程までの膨れっ面も忘れて彼路ははしゃいで会長に話し掛ける。
「会長、あんなに遠くまで綺麗に見えますよ!」
「あぁ、ホントだ。」
「会長会長、さっきまで僕達が並んでいた列が見えますよ!人間が小さく見えます!」
「あぁ、そうだね。」
 窓におでこをくっつけんばかりにして外を眺めていた彼路は、会長からの返事がいつもと違う事に違和感を覚えた。
 そして、もしかして会長は観覧車が苦手だったのだろうかと思い、振り返り会長の様子を伺う。
 しかし顔色も悪くはなく、平気な顔で窓の外を見ている。カラオケの時の様な感じはしない。
 この違和感の原因が分からず、彼路は困惑気味に会長を呼ぶ。
「………会長?」
 呼んでから彼路はふと気付く。
 もしかして、会長はさっきまでの彼路の態度に怒っているのだろうか?
 せっかく会長が時間を有効に使おうとしていたのに、周りの目が気になってしまい『告白』の練習をちゃんとしなかったし、その後も拗ねて会長を無視してしまった。
 いつもなら拗ねて膨れた彼路の御機嫌を取る様に会長は彼路に構ってくるのに、今は会長から話し掛けられもしない。
 急に不安が押し寄せ、どうしたらいいか分からなくなった彼路は、痛む胸を押さえて擦れた声で謝ろうとした。
「…あの……」
「彼路、もうすぐ頂上だよ。」
 彼路の声に被さる様に会長の声が聞こえた。
 窓から振り返り笑顔でこちらを見つめる会長の瞳は優しく、怒っている様には見えなかった。
「絶景を見てごらん。」
 そう言って頭を撫でてくる会長は、もういつもの会長に思えた。
 先程の違和感は気のせいだったのだろうか?
 会長もこの素晴らしい景色に見とれていただけだったのだろうか?
 彼路は会長に促されるまま窓の外に目をやる。
「うわぁ!」
 そこにはまさに絶景が広がっており、彼路は心奪われ感嘆の声を漏らすのだった。













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