言ノ葉つづり ~ユメノユメ~

オリジナルのBL小説を置いてます♪

2013年09月

 こちらはBLと言う空想ファンタジー小説を扱っております。
 18歳未満(高校生を含む)の方、BLと言う言葉に興味の無い方、嫌悪を感じる方等は閲覧を御遠慮下さい。
 また、本作品は全てフィクションですので、現実と虚構の区別のつかない方も御遠慮願います。
 当ブログ内全ての作品の著作権は作者にありますので、無断転載・転用を固く禁止致します。
 不適切だと判断したコメントは、断りなく削除することがあります。
 以上、御了承頂けた方のみお楽しみください。
 更新は毎日午前零時です。

初恋 -恋に落ちる- 255


 何の前触れも無く、渚が突拍子もない事を言い出した。
「もしかして、今も勃ってたりする?」
「は?」
「僕が抜くお手伝いしてあげようか?」
 そう言うが早いか、渚は彼路の布団を捲り上げ、パジャマのズボンを下ろそうと手を掛けた。
 彼路は慌ててズボンを押さえ、渚に抵抗する。
 しかし悪乗りしている渚は面白がってベッドに這い上がり、彼路の上に馬乗りになる。
 彼路は渾身の力を込めて渚に体当たりをかました。
 思っていた程の抵抗は無く、あっけないほど簡単に体勢が入れ換わった。
 彼路は渚を上から見下ろし、はぁはぁと息をしながら渚に訴えた。
「シャレになんないよ。こんな冗談しないで。」
「あははゴメンゴメン。悪ふざけが過ぎたね。でもマジでこっちの方のお手伝いもいつでもOKだよ。」
 渚がニヤリと笑った。
「もう、バカ!」
 彼路は渚の胸をポカポカと叩いた。
 渚はそれを笑いながら受けていた。
 その時突然部屋のドアが開いて、そこからツカツカと入ってくる人物がいた。
「一体何をしている!」
 彼路の体が宙を浮き、渚から離された。
 目の前は大きな背中に遮られて何も見えない。
 何が起こったのか分からずポカンとしている彼路の耳に渚の声だけが聞こえた。
「御覧の通り、彼路君に押し倒されていたんですよ。」
 何も見えないが、渚が起き上がりベッドから下りる気配がした。
「それでは僕は失礼します。彼路君、またね。」
 そう言うと渚は部屋を出て帰ってしまった。
 取り残された彼路は何が起こっているのか全く理解出来ない。
 そうこうしているうちに広い背中が振り返り、その姿を彼路に認識させた。
「会長?」
 少し怒った様な不機嫌な顔の会長がそこにいた。
 彼路の体温が上昇し、体が正直な反応を見せる。
 会長に会えて顔を見られるだけで嬉しい。
 彼路は頬を染めはにかむ様に俯いた。
 何を話せばいいのか考える。
 お見舞いに来てくれて嬉しい?
 今日は昨日より遅かったんですね?
 学校では何がありましたか?
 そんなどうでもいい事しか浮かばない。
 もぞもぞと顔を上げ、会長の顔を伺うと、会長が目を逸らした。
「随分元気になった様だな。今日はもう遅いのでこれで帰る。また明日の朝来る。」
 彼路が言葉を挟む間もなく会長は部屋を出て行った。
 ゆっくりしていってくれるものだとばかり思っていた彼路はビックリして固まっていた。
 暫くして、渚とじゃれていた事の説明を会長にしていなかったと気付き、会長に何か誤解されたのかもと思い至り青くなった。
 渚を恨みつつ、会長への言い訳を考えるのだった。


















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初恋 -恋に落ちる- 254


 『人を好きになる事は悪い事じゃない』
 同性を好きになってしまった彼路には罪悪感だらけだったが、渚はそんな彼路を認めてくれ、悪い事ではないと言いきってくれた。
 だから渚の言う事を信じたいと思った。
 この気持ちを大事にしたいと思った。
 彼路が渚の言葉に胸を打たれていると、渚がイタズラっぽく笑って、とんでもない事を言い出した。
「でもそうかぁ。彼路君が熱出して休んだのは会長のせいだったんだね。」
「なっ…」
「だって、会長の事を考えると発熱するんだろ?子供の知恵熱みたいなもんだね。」
 事実を言い当てられ、彼路は体中が発熱するのを感じた。
「もしかして、あっちの方も熱持って勃っちゃったりしてるの?」
 核心を突かれ、彼路は声も出ない。
 何かを言おうと口を開け閉めするが、言葉が出ない。
 そんな彼路の反応を楽しむかのように渚が声を出して笑う。
「あはは、そりゃ大変だ。彼路君真っ赤になって可愛い。でも正常な男子高校生としては当然の反応なんじゃないのかな?みんな好きな子想像して抜いてるんだもん。彼路君の場合はその相手が会長だったってだけでしょ。恥ずかしがらなくていいよ。」
 恥ずかしいに決まってる。
「キスまでした仲なんだもん。そりゃいくらでも想像出来るよね。」
 渚の言葉に彼路は固まる。
 キス以上の事もしてるとはとても言えない。
「現実が辛い分、想像の中では幸せで良いと思うよ。とにかくその気持ちを大事にしてあげて。僕はいつでも彼路君の味方だから。何かあればいつでも相談に乗るから一人で抱え込まないでね。」
 渚が真面目な顔でしみじみと言い募った。
 彼路も真面目に返答する。
「うん、ありがとう。」
 渚が優しく穏やかに微笑んでいた。
 彼路も少しぎこちないが、心からの感謝を込めて笑顔を返した。
 二人で少しの間見つめ合い、微笑みあった。
 渚に相談出来て良かった。
 自分の気持ちをハッキリと確認出来たし、今後の方向性も決まった。
 失恋は決定だけど、会長に恋心を気付かれない様に気をつけながら、会長の傍でこの気持ちを大事に育てていきたい。
 渚がいてくれて本当に良かった。
 彼路は渚に何度も感謝したのだった。

















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初恋 -恋に落ちる- 253


「会長への気持ちを大切にしたいって事さえ分かってれば大丈夫。後は彼路君の気持ちのままに行動すればいいんだよ。」
 渚が彼路の肩をポンポンと叩く。
「恋心を消したいんだったら会長と二度と会うなって言う所だけど、そうじゃないんだから、今迄通り普通に接すれば良いんじゃないかな。」
 渚は微笑んで言うが、彼路にはその普通が難しいのだ。
 彼路は口を尖らせて渚に反論する。
「…普通に出来ない…。緊張して恥ずかしい。」
「ふふ、当たり前だよ。だって好きな人相手なんだもん。緊張して恥ずかしいけど会長と一緒に居るだけで嬉しいでしょ?幸せでしょ?その気持ち全てを大事にして行けばいいんだよ。」
「でも…、会長と居ると発熱して体中が熱くなる。会長に変に思われる…。」
 彼路は羞恥で顔を真っ赤に染め、視線を外しながら渚に訴えた。
 渚はコロコロと笑いながら彼路に答えてくれる。
「恋してれば当たり前の反応だよ。気にする必要無いよ。変に思われるのも最初だけで、そのうちそう言うものだって思われるから大丈夫だよ。」
 意外な答えに彼路は目を丸くして渚を見た。
「そうなの?」
「そんなもんだよ。」
 渚は何でも無い事の様に笑っている。
 それでも彼路の心配は尽きない。
「でも、会長に僕が会長の事を好きって知られたら、軽蔑されて嫌われて見捨てられるかもしれない。だからこの気持ちは知られたくない。会長には隠したい。」
 彼路が決意を込めた声で言った。
 渚は表情を改め、ちょっと辛そうな顔で言った。
「それはとても辛くて苦しいよ?」
 彼路の眉根が寄り表情に苦痛が浮かぶ。
「正直に告白しても大丈夫だと僕は思うんだけど?」
 渚にからかっている様子はない。
 本心から言っている様だ。
 しかし彼路にはどうしてもそうは思えない。
「イヤだ!絶対に知られたくない!辛いのは分かってる。でも、嫌われるよりはマシだもの。」
 彼路は胸をギュッと押さえて、最後は涙声になりながら気持ちを伝えた。
 渚は穏やかな表情を浮かべて、彼路を励ます様に肩を擦った。
「彼路君が我慢出来るならいいんだ。その気持ちを隠してても。でもその気持ちを否定しないで大事にしてあげてね。人を好きになる事は悪い事じゃないんだから。」
「…うん。」
 彼路は素直に頷いた。











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初恋 -恋に落ちる- 252


「彼路君、僕と航の事聞いて気持ち悪かった?僕と友達やめようと思った?」
「そんな事思う筈ない!」
 彼路は慌てて強く否定した。
「だったら会長も受け入れてくれるかもしれないじゃないか。どうして決め付けてるの?」
「だって渚や航とは違うもの。会長は絶対に男なんか好きにならない。」
 渚は少し呆れた様に苦笑した。
「じゃあ会長の気持ちはこの際横に置いておこう。もし会長に好きになって貰えないとしたら、彼路君は会長の事好きじゃなくなるの?」
「違う!好きになって貰えないって分かってても、失恋決定でも、好きな気持ちを無くせないから困ってるんだ!」
「じゃあ彼路君はその好きな気持ちをどうしたいの?」
「だからどうも出来ないって!」
「ううん、違う。会長からの見返り、好きになって貰う事を期待するんじゃなくて、そんな見返りがなくても、ただ純粋に彼路君が会長を好きって思う気持ちをこれからどうしていきたいの?」
「?」
 彼路には渚の言わんとしている事が良く分からなかった。
「気付いたばかりの恋心を無理矢理消してしまいたいのか、それとも大事に育てていきたいのか?どっち?」
 渚に二択を迫られて、そこでようやく渚の言わんとしている事が理解出来た。
 そして彼路は考える。
 この気持ちをどうしたいのか。
 初めての恋心をどうしたいのか。
 そんな事、わざわざ考えるまでも無かった。
 答えは決まっていた。
 彼路は溢れる想いを涙に変換したかのように潤んだ瞳を渚に向けた。
「…大切にしたいっ……」
 彼路の目から涙が溢れる。
 渚は彼路の答えを聞き、満足そうに微笑んだ。













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初恋 -恋に落ちる- 251


「恋をするってもっと楽しいものだと思ってた。こんなに辛く苦しいなんて思わなかった。好きになって貰える筈のない、最初から失恋が決定している恋なんてしたくなかった。でも……」
 彼路は思いの丈をぶちまけ、一気にまくし立てた。
 そして一度言葉を切って、自分の気持ちと正直に向き合う。
 渚は何も言わずに黙って彼路の言葉を聞いていた。
「でも、気付いてしまった気持ちは無かった事に出来ない。会長が好き。会長の事を考えると体中が熱くなる。この熱を持て余してどうすればいいのか分からない。」
 彼路は自分の体を抱き、縋る様な眼で渚を見つめた。
「僕はこれからどうすればいいの?」
 渚は小刻みに震える彼路の体を宥める様に肩に手を置いた。
 そして穏やかな声で問い掛ける。
「彼路君はどうしたいの?」
「だからどうも出来ないんだってば!」
 彼路が癇癪を起こした様に叫んだ。
 渚は彼路の肩を擦りながら彼路を落ち着かせようとする。
「どうも出来ないってどういう事?」
 幾分落ち着きを取り戻した彼路は渚の質問に淡々と答えていく。
「だって会長が男の僕を好きになる事は絶対に無いから、この恋が実る事はないんだよ。どうしようもないじゃないか。」
「先の事なんて誰にも分からないよ。会長が彼路君の事を好きになる確率が全く無いって誰が決めたの?彼路君の努力次第で好きになって貰えるかもしれないよ?」
「僕、男だよ?男ってだけで会長の恋愛対象にはならないよ。僕が会長の事を好きって知られたら気持ち悪がられて相手にして貰えなくなるかも。」
 そうだ、この気持ちを会長に知られると今迄の様な関係ではいられなくなる。
 気持ち悪いと言って遠ざけられ、軽蔑の眼差しを向けられるかもしれない。
 そう考えると体の震えが酷くなった。
 彼路はギュッと自分を抱き締め、目を瞑る。
 怖い。
 会長に見捨てられるのが怖い。
 会長に見捨てられる位ならこんな気持ちは捨ててしまいたいと思った。



















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