「おい、どうなってんだよ?」
額に汗を浮かべながら私は苛立ちを露にした。
私達は魔法使いの探索を諦め、帰途に着こうと元来た道を戻っていた。
だがいくら歩いても森を抜ける事が出来ないでいた。
「これが”迷いの森”ってことか?」
私は足元の草を蹴散らしぼやきまくる。
歩き疲れてイライラしていた。
一体いつになったら森を抜けれるのだろう?
薄暗く、鬱蒼と纏わり付く重苦しい空気がイライラに拍車を掛けていた。
その時背後で何かが倒れる音とメイの叫び声がした。
「タクっ!」
振り返ってみるとタクが苦しそうに膝をついていた。
メイが走り寄り、タクの具合を確かめる。
「すごい熱だ…」
メイが背中に手を回し抱き起そうとすると、タクの口から呻き声が漏れた。
その時になって初めて分かった。
先程落ちた時にタクが大ケガをしていたと。
苦しそうな息を零すタクを見て、メイが半狂乱になって叫んだ。
「イヤだ…、誰か助けてっ!」
「しっかりしろっ、メイ!タクは大丈夫だ!」
私はタクに肩を貸し、メイを見据えた。
ガタガタと震え、涙目になっていたメイが心配そうに見詰める。
私と反対側からマグヌスがタクを支え、私達は少しずつ歩き出す。
「一刻も早く森を抜けて帰るぞ。」
帰る方向すら分からなかったが、不安そうなメイに心配を掛けない様、私は力強く前を向いて歩いた。
ほどなくして、どこからか私達の馬が現れ、私達は馬に乗って森を抜ける事が出来た。
意識のなくなったタクを一刻も早く医師に診せねばならなかった。
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