言ノ葉つづり ~ユメノユメ~

オリジナルのBL小説を置いてます♪

2014年04月

 こちらはBLと言う空想ファンタジー小説を扱っております。
 18歳未満(高校生を含む)の方、BLと言う言葉に興味の無い方、嫌悪を感じる方等は閲覧を御遠慮下さい。
 また、本作品は全てフィクションですので、現実と虚構の区別のつかない方も御遠慮願います。
 当ブログ内全ての作品の著作権は作者にありますので、無断転載・転用を固く禁止致します。
 不適切だと判断したコメントは、断りなく削除することがあります。
 以上、御了承頂けた方のみお楽しみください。
 更新は毎日午前零時です。

和の国 23


「おい、どうなってんだよ?」
 額に汗を浮かべながら私は苛立ちを露にした。
 私達は魔法使いの探索を諦め、帰途に着こうと元来た道を戻っていた。
 だがいくら歩いても森を抜ける事が出来ないでいた。
「これが”迷いの森”ってことか?」
 私は足元の草を蹴散らしぼやきまくる。
 歩き疲れてイライラしていた。
 一体いつになったら森を抜けれるのだろう?
 薄暗く、鬱蒼と纏わり付く重苦しい空気がイライラに拍車を掛けていた。
 その時背後で何かが倒れる音とメイの叫び声がした。
「タクっ!」
 振り返ってみるとタクが苦しそうに膝をついていた。
 メイが走り寄り、タクの具合を確かめる。
「すごい熱だ…」
 メイが背中に手を回し抱き起そうとすると、タクの口から呻き声が漏れた。
 その時になって初めて分かった。
 先程落ちた時にタクが大ケガをしていたと。
 苦しそうな息を零すタクを見て、メイが半狂乱になって叫んだ。
「イヤだ…、誰か助けてっ!」
「しっかりしろっ、メイ!タクは大丈夫だ!」
 私はタクに肩を貸し、メイを見据えた。
 ガタガタと震え、涙目になっていたメイが心配そうに見詰める。
 私と反対側からマグヌスがタクを支え、私達は少しずつ歩き出す。
「一刻も早く森を抜けて帰るぞ。」
 帰る方向すら分からなかったが、不安そうなメイに心配を掛けない様、私は力強く前を向いて歩いた。
 ほどなくして、どこからか私達の馬が現れ、私達は馬に乗って森を抜ける事が出来た。
 意識のなくなったタクを一刻も早く医師に診せねばならなかった。
















※ランキング(2種類)に参加しています。
 それぞれポチっとして頂けると、嬉しいです♪
 1日1クリック有効です。


にほんブログ村


小説(BL) ブログランキングへ

ありがとうございます♪





※web拍手(ランキングとは無関係)もつけてみました。
 こちらもポチっとどうぞ♪
 こちらは1時間に10回くらいポチ出来るみたいです?







※アルファポリスにも参加してみました。

 






※作者のつぶやきが見たい方は、続き↓からGO!続きを読む

和の国 22


「見せてみろ!」
 マグヌスがメイの腕を取って見た。
「っ!」
 マグヌスが一瞬だけ息を呑んだ。
 メイは慌てて傷口を手で隠し顔を背けた。
「大丈夫。ちょっと擦り剥いただけで大した傷じゃないよ。」
 そう言って自力で起き上った。
 そして私達二人の下敷きになっていたタクに話し掛けた。
「タクは大丈夫?」
 メイがタクの肩を揺する。
 タクはうっすらと目を開け、メイを見て優しく微笑んだ。
「お前は大丈夫なのか?」
「タクが守ってくれたから大丈夫だよ。」
「そうか、良かった。」
 タクがゆっくりと体を起こして私を見た。
「アキも無事だな。」
「ああ。」
 私の返事に頷き、タクはマグヌスを見た。
「これ以上まだ進まれるおつもりか?」
 タクの静かな恫喝にマグヌスは顔を顰めた。
 これではこれ以上の探索は無理だった。
 タクはマグヌスの無言の返事を了承と受け取った様で、一同を見回し、年上らしく指揮した。
「探索は打ち切り、帰宅します。」
 誰もが無言で頷き、元来た道を戻り始めた。
 マグヌスの悔しそうな顔を見るのが辛かった。
















※ランキング(2種類)に参加しています。
 それぞれポチっとして頂けると、嬉しいです♪
 1日1クリック有効です。


にほんブログ村


小説(BL) ブログランキングへ

ありがとうございます♪





※web拍手(ランキングとは無関係)もつけてみました。
 こちらもポチっとどうぞ♪
 こちらは1時間に10回くらいポチ出来るみたいです?







※アルファポリスにも参加してみました。

 






※作者のつぶやきが見たい方は、続き↓からGO!続きを読む

和の国 21


 私に見詰められたメイが、視線をマグヌスに向ける。
 どうやらメイも私と同意見だった様で、当事者であるマグヌスに判断を任せようとした。
 皆からの視線を受けて、マグヌスは辛そうな表情になった。
「もう少し、もう少しだけ探させてくれないか…」
 小さな囁きが悲痛な叫びに聞こえた。
「よし、じゃあもっと奥まで行ってみようぜ!」
 私は殊更大きな声を出して前に進み出た。
 鬱蒼と茂る森は行く手を阻むが、マグヌスの目的達成の為の手伝いがしたかった。
 私は先頭に立ち、ぐんぐん前へと進んだのだった。
「うわっ!」
 それは一瞬の出来事だった。
 前ばかり見ていた私は気付かずに足を踏み外して体制を崩してしまった。
 すぐ横にいたメイの手に掴まったが、踏み止まる事は出来ずに一緒に急斜面を転がり落ちてしまった。
 護衛のタクが飛び出して、私達二人を庇う様に守ってくれたが、落ちた衝撃は凄まじく、私達はすぐには動けないでいた。
「大丈夫か?」
 最後尾にいたマグヌスが急斜面を慎重に降り、駆けつけてきた。
「うん、大丈夫。」
 私は頭を振りながら起き上った。
 衝撃は大きかったがケガなどはなかった。
 私に続きメイも体を起こす。
「痛っ!」
 メイが肩口を押さえ呻いた。
 何かに引っかけたのか、服が破れケガしている様だった。
















※ランキング(2種類)に参加しています。
 それぞれポチっとして頂けると、嬉しいです♪
 1日1クリック有効です。


にほんブログ村


小説(BL) ブログランキングへ

ありがとうございます♪





※web拍手(ランキングとは無関係)もつけてみました。
 こちらもポチっとどうぞ♪
 こちらは1時間に10回くらいポチ出来るみたいです?







※アルファポリスにも参加してみました。

 






※作者のつぶやきが見たい方は、続き↓からGO!続きを読む

和の国 20


 次の休みの早朝も、先日と同じ四人が揃った。
 メイも私と同じ考えで、魔法使いにはもう会えないと諦めていたが、マグヌスの説得によりもう一度だけ付き合う事にしたらしい。
 タクは護衛なので、何も言わずについてくる。
「では行こう。」
 今日もメイが先頭に立って号令する。
 私はマグヌスの背中を見ながら馬を走らせる。
 マグヌスの今日こそはと言う強い思いが感じられて、私は憧れを強くする。
 マグヌスの望みが叶う様祈りながら、手綱を強く握り締めるのだった。

「今日は奥の方を探してみよう。」
 迷いの森の入り口で休憩を取りながら、メイが言った。
「今日も団体行動か?手分けした方がいいと思うんだが?」
 マグヌスが素朴な疑問を口にする。
 だがメイはやはり首を振る。
「今日の方が奥まで入り込むので危険が高い。揃って行動した方が良い。」
「…分かった。」
 私達は森の中へと足を踏み入れた。

「何だよこれ!前に進めないじゃないか!」
 私は絡まる草木を除けながら悪態をつく。
 前回とは違い、森の奥へは馬では入れなかった。
 草木が密集しており、足元も定かではない。
 仕方なく馬を降り、私達は徒歩で森の奥に進んだ。
 だが道もなく、草木に覆われて、前も見えない。
 四人は固まり、剣で草木を薙ぎ倒しながら進んで行く。
「こんな所に魔法使いがいるとは考え難いんだけど?」
 私はメイに判断を仰いだ。














※ランキング(2種類)に参加しています。
 それぞれポチっとして頂けると、嬉しいです♪
 1日1クリック有効です。


にほんブログ村


小説(BL) ブログランキングへ

ありがとうございます♪





※web拍手(ランキングとは無関係)もつけてみました。
 こちらもポチっとどうぞ♪
 こちらは1時間に10回くらいポチ出来るみたいです?







※アルファポリスにも参加してみました。

 






※作者のつぶやきが見たい方は、続き↓からGO!続きを読む

和の国 19


 寮へと帰り着き、皆がそれぞれの部屋へと戻る時、私はマグヌスに近寄り言葉を掛けた。
「今日は残念だったな。でも仕方がない。魔法使いに会うのは諦めて他の方法を考えよう。私に出来る事があれば手伝うから何でも言ってくれ。」
 落ち込んでいるであろうマグヌスを少しでも力付けたくて、私は精一杯の気持ちを表した。
 だがマグヌスはそんな私を軽蔑したように見下した。
「お前はバカか?たった一度会えなかったからと言ってすぐに諦める訳がないだろう?」
「え?」
「会えるまで何度でも行くに決まっているだろう?」
「…そう、なのか……」
 私はてっきり魔法使いに会う事はもう叶わないのだと思っていた。
 会う必要があるのなら今日会えていただろうし、会えなかったと言う事はもう会えないと言う事だと思っていた。
 マグヌスの前向きな発言に元気を貰い、私の頬は自然と緩んだ。
「そうだな。会えるまで探そう。うん、そうしよう。」
 ニコニコとする私を胡乱に見下ろして、マグヌスは部屋へと帰って行った。
 私はマグヌスの背中を尊敬の眼差しで見詰めた。
 この国では色んな事が決まっていて、誰もそれに抗わない。
 なぜなら、それは正しくて、それで平和を保てているからだ。
 だから今日の事も、私は勿論、メイやタクも、もう魔法使いには会えないものだと受け入れていた。
 だが外から来たマグヌスは違った。
 何度でも挑戦すると言う。
 マグヌスの強さに憧れる。
 もっと傍にいて、もっと沢山のマグヌスを知りたいと思った。

















※ランキング(2種類)に参加しています。
 それぞれポチっとして頂けると、嬉しいです♪
 1日1クリック有効です。


にほんブログ村


小説(BL) ブログランキングへ

ありがとうございます♪





※web拍手(ランキングとは無関係)もつけてみました。
 こちらもポチっとどうぞ♪
 こちらは1時間に10回くらいポチ出来るみたいです?







※アルファポリスにも参加してみました。

 






※作者のつぶやきが見たい方は、続き↓からGO!続きを読む

※ランキング(2種類)に参加しています。
 それぞれポチっとして頂けると、嬉しいです♪
 1日1クリック有効です。


にほんブログ村


小説(BL) ブログランキングへ

ありがとうございます♪





※web拍手(ランキングとは無関係)もつけてみました。
 こちらもポチっとどうぞ♪
 こちらは1時間に10回くらいポチ出来るみたいです?













  • ライブドアブログ