ブルリと震える私の体を抱き締め、強く深い口付けが降って来た。
口腔を舐められる初めての感触に涙が零れた。
「ごめんっ!」
涙に気付いたタクが慌てて体を離した。
だがその瞳から欲情の色は消えていなかった。
タクの上気した顔と体中から滲み出る色香にクラクラした。
「…いいよ。好きにして…。」
自然と口から零れ出た言葉に、自分でも驚いた。
しかし嘘は無い。
タクになら何をされてもいい。
全てが信じられるし預けられる。
少しの恐れを封印して、私はタクに微笑んだ。
先程よりも強い抱擁が私を包んだ。
「暫くこのままで…」
タクの体の温もりといつもより早い心音が、私の心を穏やかにする。
タクの腕の中は心地良い。
いつまでもずっとこうしていたい。
そして先程の激しい口付けを思い出しドキドキした。
キス以上の事ってどうするんだろう?
期待と不安が襲ってくる。
それでも、相手がタクならば安心出来た。
きっと心も体も満たされるに違いない。
早く次に進みたくて、私はその時をじっと待った。
暫くしてゆっくりとタクの温もりが離れていき、おでことおでこが合わさった。
「驚かせてごめん。もう大丈夫。疲れただろう。ゆっくりおやすみ。」
タクの瞳から情欲の色が消えていた。
期待していた私はタクの腕に縋り付いた。
「もうしないの?」
「したかったのか?」
タクの揶揄する言葉にカッとなる。
「違うもん!」
口を尖らせ横を向くが、タクは苦笑を堪えていた。
「ごめんごめん。今日はもう疲れていると思ったから我慢したんだけど、もっとした方が良かったのかな?」
「違うって言ってるだろ!もう寝る!」
私は布団を頭まで被ってベッドに横になった。
タクは笑いを殺しながら、布団の上から私の頭を撫でた。
「まだ眠くないならもう少し話をしないか?聞きたい事が色々ある。」
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欲情と情欲の違いが分からん!
どっちでも同じ???
なんとなく雰囲気で使ってみたが、統一した方がいいのだろうか?
日本語って難しい…(笑)