「おまたせしました、せんせい。きょうはよろしくおねがいします。」
「……します。」
「よろしくおねがいします。」
 既に来ていた家庭教師にカズイが挨拶し、それに続きハルとマユも挨拶する。
 キョロキョロと視線を彷徨わせているハルに、カズイは苦笑を浮かべた。
「私は本日君達の勉強を見る役目を仰せ付かった藍沢 路也(アイザワ ミチヤ)です。宜しく。先ずは君達の自己紹介をお願い出来るかな。」
 先生の笑みと共に降ってくる優しいトーンの言葉に、子供達も柔らかい笑みを浮かべ自己紹介をした。
 そしてそれぞれの学力に合った指導を受け、時間が過ぎていく。
 カズイはこの勉強に物足りなさを感じ、熱心に先生の話に耳を傾けるマユと、早くここから逃げ出したそうなハルを交互に観察していた。
 その時、窓の外から金属同士がぶつかり合う甲高い音が響いてきた。
 何だろうかと窓の外に目を遣ると、そこには大叔父とギャビーが剣を合わせる姿があった。
 大叔父が剣を振り被り、ギャビーに向かって突進していく。
 ギャビーはその剣先を受け止め、押し返す様に弾いていく。
 それは儀礼的な物ではなく、お互いに本気の打ち合いだった。
 カズイは二人から目が離せなくなり、食い入る様に見詰めた。
 そして二人の姿に自分の姿を重ねる。
 カズイもまたリンとああして剣の練習をしていた。
 何度打ち込んでも簡単に弾き返されてしまう。
 だから剣を振り回すだけでなく、突く事も覚えた。
 実践で活かせる技を身に付けたのだ。
 もう、遠い昔の事の様に感じる…。
「まいった!」
 喉元に剣を突き付けられた大叔父が、手を挙げて降参した。
 ギャビーは涼しい顔で剣を引いた。
「もう一度。」
 大叔父の合図で真剣勝負がまた始まった。
「すっげー!」
 私だけでなく、同じ様に見入っていたハルが、授業中だと言うのに大声をあげて先生とマユに睨まれた。
 それでも興奮が冷めず、勉強どころでは無くなり、窓の外に釘づけになった。
 カズイの気もそぞろなのに気付いた先生は、仕方なく本日の授業を剣術へと切り替え、大叔父達の所へと向かわせてくれた。
 マユは不服そうだったが、カズイとハルは喜び飛び出し、一目散に外へと駆け出したのだった。















※ランキング(2種類)に参加しています。
 それぞれポチっとして頂けると、嬉しいです♪
 1日1クリック有効です。


にほんブログ村


小説(BL) ブログランキングへ

ありがとうございます♪





※web拍手(ランキングとは無関係)もつけてみました。
 こちらもポチっとどうぞ♪
 こちらは1時間に10回くらいポチ出来るみたいです?







※アルファポリスにも参加してみました。

 






※作者のつぶやきが見たい方は、続き↓からGO!












~~~



昨夜、ちょっと嫌な事があって凹んでた。

でも気にしても仕方ないし、大した事じゃないんだから気にしない様にした。

にもかかわらず、全然寝れなかった!

眠いのに寝れない!

小心者だとつくづく思った(笑)

ほとんど眠れないまま朝になり、お弁当作って車で息子を駅まで送っていると、途中の赤信号に気付かずそのままぶっちぎりそうになって、息子が「お母さん、赤!」と叫んで急ブレーキ。

荷物が全部吹っ飛んだ。

息子カンカン!

私平謝り。

その後、息子しゃべってくれなかった(涙)

朦朧とする頭で何とか駅まで送り届け、事故らない様に気を付けて帰宅。

余計に凹んだ(泣)

皆様、睡眠はちゃんととりましょうね!(笑)