カズイの胸が一瞬痛んだ。
 だがカズイはその胸の痛みをやり過ごし、気丈にリンに問い掛けた。
「この国の平和を守る為に、少数の不幸な人を見殺しにしてきたのか。」
「そう捉えられても仕方ありません。」
「そしてこらからもその者達を救う事は出来ないと言うのだな。」
 リンは敢えて返事をしなかった。
「…私の命令であってもか?」
 こんな言い方はしたくなかった。
 だが昔、ハルの時は命令すれば叶えてくれた。
 今回もこれで皆を助ける事が出来るのなら、いくらでも命令するつもりだった。
 だが本当は、カズイには分かっていた。
 自分の命令などリンにとって重いものではない事を。
 カズイの命令より重要な使命がある事を。
 それでも一縷の希望に縋らずにはいられなかったのだ。
 リンに訴える事が出来るのはカズイしかいないのだから。
 震える胸を押さえてカズイがリンを見詰める。
 そしてリンの口から発せられたのは予想通りの言葉だった。
「あなた様の御命令といえど、従えるものと従えないものがあります。この件に関しては、残念ながら従う事は出来ません。」
 少しも残念ではなさそうな表情に、カズイは溜息を漏らした。
 そしてやはりそうなのだと痛む胸を押さえた。
 自分の力の無さに歯噛みする。
 力が欲しい。
 絶対的な強い力が欲しい。
 カズイは拳を握り締め、そして諦めた様に立ち上がった。
「無理を言ってすまなかった。邪魔をした。」
「いいえ、いつでもお越し下さい。お待ちしております。」
 リンの無表情な社交辞令を聞き流し、カズイはリンの家を辞した。
 見送るリンに振り返る事なく、カズイは森を抜け城へと帰る。
 意気消沈し、重い気分を引き摺りながら。














※ランキング(2種類)に参加しています。
 それぞれポチっとして頂けると、嬉しいです♪
 1日1クリック有効です。


にほんブログ村


小説(BL) ブログランキングへ

ありがとうございます♪





※web拍手(ランキングとは無関係)もつけてみました。
 こちらもポチっとどうぞ♪
 こちらは1時間に10回くらいポチ出来るみたいです?







※アルファポリスにも参加してみました。

 






※作者のつぶやきが見たい方は、続き↓からGO!












~~~



更新遅れてごめんなさい!

ちょっとゲームに夢中になってて……(笑)

違うちがう!

ちょっと忙しかったのよ!

い、いろいろと……(笑)

それとね、いつもてきとーに物語書いてるのだけど(笑)、今になってヤバい事に気が付いたのよ。

今ここでカズイとリンがこんな話をしちゃってたら、このあと起こる予定だった出来事が起こせなくなるような…?

あれれ?どうしよう???

大事な出来事なのに、どうすんだ?

う~~~ん………

ってなって、続きが書けなくなったのよ。

ホントどうしましょう?

何とかなるかしら?

何とかしなければいけないのよね!

とにかく頑張る!

どうなるか分からないけど(笑)

















これより先はプライベートモードに設定されています。閲覧するには許可ユーザーでログインが必要です。