ハルの部屋を出てからもう一度マユの部屋の前に行ってみた。
 中からは相変わらず低いすすり泣きが聞こえ続けていた。
 カズイは『絶対に助けるから待ってて』と心の中で強く唱えながらそこから離れた。
 そしてハルの両親の部屋の中も覗いてみた。
 ハルの両親は部屋の隅でお互いの手を握り締めたまま小さく蹲っていた。
 ほんの些細な出来事で、家族全員が壊れてしまった。
 こんなシステムはやはりおかしい。
 そして、ハル達のこんな姿を見るのは辛くて忍びない。
 カズイは昨日よりも強い意志を持ってリンの元へと向かった。
 絶対にハルとマユを救ってみせると強く誓った。
 夜の森は昼とは比べ物にならない程に深い闇に覆われていたが、カズイが足を踏み入れると三日月の細い光が足元を照らしカズイの行く先を照らし出す。
 ただ前だけを強く見据えて、カズイはズンズン足を進める。
 強い憤りが原動力になっていた。
 リンの家の前、頭を垂れ佇むリンの前を無言で通り過ぎ、カズイは先に立って家の中へと入って行く。
 そして部屋の中央で立ち止まると、後ろのリンを振り返り、尖った瞳でリンを見据えた。
「ハルとマユを助けろ。」
 地面を這う様な低い声が出た。
 説明は一切しなかった。
 説明などしなくても、ハルとマユがどの様な状態に陥っていて、今何故カズイがここに来たのか、リンには全てお見通しの筈だ。
 カズイはリンに一歩近付き、怒気を含ませたままもう一度言った。
「ハルとマユを救え。」
 リンは涼しい顔のまま美しい声を響かせた。
「”運命を間違えた人”を救う方法などありません。」
 カズイはリンを壁に突き飛ばし、リンを囲う様に腕を壁について至近距離からリンを見下ろした。
「”運命を間違えた人”全てを救えと言っているんじゃない。ハルとマユを救えと言っているんだ。」















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おぉ、壁ドンやってみたよ!(笑)

拙い表現だけど、皆さん気付いてくれました???

全然ラブくないけど、これでも壁ドンって言うよね?言わないのかな???



今日も何とか間に合って良かった。

ここを書いてる途中で子供が帰って来たので、これを仕上げているのは23:25です。

結構ギリギリで焦った。

今日はたまたま早く寝てくれて良かった(笑)

明日も頑張ります!