旅に出る前に”運命を間違えた人”について色々と聞いて知っていたカズイは、ギャビーの説明に得心の表情を浮かべていた。
 トキにとってはああする事が当たり前で、ああするしか出来なかったのだろうと、渋々だが納得はいった。
 だがほとんど何も知らなかったハルは表情を強張らせ、怒りに震え出した。
 そしてギャビーの説明を一通り聞き終わると、震える拳を握り締めながら、震える声で言った。
「何だよそれ?俺もあんな風になってたかもしれないってことか?」
「君は幼い子供ではないからどうなっていたかは分からない。だが将来を悲観し投げ遣りになっていれば、そうなっていた可能性は無きにしも非ずだ。」
「嘘だろ……」
 ギャビーの肯定に、ハルは俯き頭を抱えた。
 暫くの沈黙の後、ハルは頭を抱えたまま質問を口にした。
「あの人達の意識を変える事は出来ないのか?」
「それを今、やっている途中だ。」
 ギャビーの声の真摯な響きに、ハルは頭を上げてギャビーを見た。
「変えられるのか?」
「時間が掛かりそうだがな。」
 否定とも肯定ともつかない答えに、ギャビーもまた戸惑い苦戦しているのであろう背景が伺い知れた。
 実際、ハナとトキがそういう行いをまだしている所からも、意識改革が上手く行ってない事が露呈してしまっていた。
 想像以上に根の深い難しい問題なのだろうと、カズイは重たい吐息を気付かれない様に逃がした。
「ただいま。」
 そこに疲れた様な大叔父の声が響いて、皆が声の方を振り返った。
「うわっ、皆揃って何してるの?」
 大叔父が驚いた声を上げると、ギャビーが簡単に説明した。
「あれだけ言ったのにダメだったのか……」
 大叔父が苦い声で呟いた。
 そしてカズイとハルの方を見て、申し訳なさそうに頭を下げた。
「すまない。散々そう言う事はしなくていいと言い聞かせたんだが、彼らにはちゃんと伝わっていなかった様だ。もう一度説明し、二度とこんな事が起こらない様にするので、どうか今日の事は無かった事にしてやってくれないだろうか?」
 大丈夫、分かっているとカズイは頷いた。
 しかしハルは難しい顔をしたままだった。















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昨日は久しぶりに娘の習い事のお手伝いに行った。

早朝から夕方まで働いた。

結果、疲れて何も出来なかった(笑)

パソコンに触る事も出来なくて、更新遅れてしまいました。

すみませんでした。

取り敢えず今日の更新分書いたが、明日の更新分まで書く元気は無い…

GW最終日なのに、今からもう一度寝ます(笑)

なので、明日も更新遅れたらごめんなさいね!

先に謝っときます(笑)